Welcome to my page “The inspired”.
二児の母で、東大で人類学専攻で博士課程在学中のKaoriです。
約10年前、イギリスのOxford大学とUniversity of London SOASで社会人類学を専攻し、働く女性と卵子凍結保存の可能性について研究をしていました。
いつか博士課程もやりたいと思いつつ諦めていたのですが、何を思い立ったか第一子が臨月の時に出願しました。この勢いの半分くらいは多分ホルモンのせい。今はFemtech(フェムテック)全般を照らし、科学技術がどのように社会と関わっていくのかについてをテーマにしています。
さて、そんなこんなで始まった子育てと大学院と少し仕事。私はあんまりキャパが大きくないもので、日々こなすだけになってしまって何が何だかわからなくなったので、わたしが好きなもの、大切なものって何だろうとずっと問うてたんです。
社会学者のピエール・ブルデューの「ディスタンクシオン」(Distinction)によると、世代間で受け継がれるのはお金(経済資本)だけではない。私たちの身振り、言葉遣いから大切にする価値観、築いてきた人とのつながりから学んだこと、ひとつひとつの行動もまた、家族の中で受け継がれていく重要な財産(文化資本)なんだと。
だとしたら、自分は何を大切にしていて、次の世代に何を伝えたいのか。
私の文化資本ってなんだろう?
でもこんなこと一人で考えていてもわからないなぁ、と思いながら勉強をしていたら、「どれだけ「異質」なものであっても他人の考えに耳を傾けると他者への共感につながるだけでなく、自らの姿も見えてくる。」というのが人類学の大事な要素だと見えてきた(気がしています)。
それならば母として、子育てにもそのアプローチを持ちたいと思い、このサイトを始めました。
加えて、Femtech(フェムテック)の研究を通じて、女性の社会進出、ジェンダーや家族観、社会の構造、そしてメディアでの扱われ方などに触れる中で、多くの課題を実感しています。
特に『男性も育児に参加を』という社会的な期待に対し、男性の育児に関する言説がまだまだ少ないと感じています。そのため、男性が発信する子育て情報が、男性から男性へ、もしくは男性から女性へと広がるルートを増やしていくことにも大きな意味があるのではないかと少しだけ期待しています。
また、女性の健康課題(生理、妊娠・出産、更年期)や、それを解決しようとするフェムテックに関するリテラシーもまだ十分に認知されていません。お嬢さんが初潮を迎えた時、妊活を始めたいと思った時、あるいは更年期かもしれないと感じた時など、男女問わず人生の節目で直面する様々な場面で役立つ情報を提供してお役に立てたら嬉しいなと。
少し真面目でつまらない話になってしまいました。
研究をする中で生まれてきた想いも乗せつつ、尊敬する人たちから様々な話を伺い、学びつつ、自分と「違う」を知ることで、自分のことも知りたい。せっかくなら私だけでなく周りと一緒に成長できるきっかけになればいいなと思います。
ゆっくりですが良ければどうぞお付き合いください。
Kaori